一般不妊治療
「妊娠を望んでいる夫婦が、1年以上にわたって正常な夫婦生活を経ても妊娠に至らない状態」を、一般的に不妊症と呼びます。
不妊治療では、原因を特定するための検査を必要に応じて行います。当院では、精液検査、子宮卵管造影検査、子宮鏡検査などを行っています。
なかなか妊娠しないとお悩みの方、お一人で悩まずにご相談ください。また、ご不明な点やご不安な点がある場合も、丁寧にご説明いたしますので、遠慮なくお尋ねください。
不妊症の主な原因
不妊症の原因は様々で、原因が不明なことも場合によってはありますが、大別すると女性側の原因(女性不妊)、男性側の原因(男性不妊)、あるいはその両方の原因に分けられます。そのため、まずは原因を特定するための検査を行ったうえで、お一人お一人の原因に合った治療法を選択していくことになります。
- 女性不妊の原因
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- 排卵がない
- 卵管がつまっている
- 卵巣がはれている
- 卵管や卵巣に癒着がある
- 子宮内膜に異常がある
- 子宮内膜に異常がある
- 子宮の形がおかしい
- 子宮筋腫がある など
- 男性不妊の原因
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- 精子が少ない
- 精路がつまっている
- 性交障害 など
不妊治療の流れ
「できるだけ自然」な妊娠の実現を目指し、お一人お一人の身体や原因に合わせた治療方針を立てます。
一般的な治療の流れは以下の通りです。
- 1.タイミング指導
- 基礎体温測定、尿中LH検査、超音波検査などにより排卵日を予測します。
- 2.排卵誘発
- 排卵に問題がある場合は、排卵誘発剤により排卵を誘発します。タイミング指導と併用することもあります。
- 3.配偶者間人工授精(AIH)
- 人工授精とは、精子と卵子とが出会うための複雑な経路を人工的に短縮し、受精の機会を改善する方法です。排卵時に、細い管(カテーテル)で精子を子宮に直接送り込みます。
配偶者間人工授精(AIH)について
- 4.生殖補助医療(ART)
- 「一般不妊治療」の次の選択肢となる、体外受精や顕微授精、胚移植(ET)などより高度な生殖技術を指します。人工授精を一定回数行っても妊娠しない場合や、一般不妊治療では妊娠しにくい原因がある場合、生殖補助医療(ART)という選択肢を視野に入れるかどうか検討していくことになります。
生殖補助医療(ART)について
上から順に、一つの治療法を6回程度繰り返し、その治療法で妊娠できなければ次の治療法にステップアップします。
- 30代後半で年齢的に余裕の少ない方の場合は、3回毎の治療でステップアップすることをおすすめしています。
配偶者間人工授精(AIH)
人工授精とは、精子を洗浄・濃縮し、子宮腔内に注入する方法です。精子の数が少ない、精子の運動性があまり良くない、精子が正常に形成されていないなどの場合に向いています。
処置は、排卵誘発剤を使用もしくはあらかじめ超音波検査で排卵日を特定したうえで、良好精子分離法により健康な精子のみを直前に用意して行います。女性に排卵誘発剤を使用すれば、成功率は高くなりますが、一般的には人工授精による妊娠率は8%前後です。